恐れをなくすにはどうするか?

こんにちは。
90日で絶望を希望に、不安を安心に変える心理カウンセラーおおにしみちおです。

”恐れ”という感情は、とても気持ちの悪いものです。できたら、感じたくない、と思います。だから、この感情が出てきたら、恐れは感じてはいけない。早く消さなければ、と思ったりします。

恐れをなくす。恐れを感じないようにしなければ。

こう思えば、思うほど、実は泥沼にはまってしまうのですが、これに気づいていない人がとても多いのです。

『恐れをなくそうとするといつまでもなくならない。意識が恐れにあるから。
恐れがあるままに始めると、始めた対象に意識が向かいます。すると、いつの間にか恐れがなくなったいることに気づきます。恐れは、なくそうとしないことがなくす秘訣なんですね』

恐れもしくは不安とどう向き合うのかということについてお話しします。よかったら最後までお付き合いください。

恐れは意識すればするほど大きくなる

恐れという感情は、行動を躊躇させます。

わたしがパニック症のとき、電車に乗ることがすごく怖かった。練習で、電車に乗ってみようと思って駅に向かうのですが、駅が近づいてくるだけで心臓の鼓動が早くなる。何度も諦めて家に帰ったものです。

改札を抜ける。胸が苦しくなる。ホームに立つ。もうドキドキが最大になる。電車がホームに滑り込んできてドアが開いたときには卒倒しそうになるくらい。このときが実は一番恐れが大きいときです。

なぜかというと、ここまでは電車に乗ろうとまだ思っている段階だから。やめようと思えば、やめられるときなんです。自分の中で「乗れ!」という声と「やめろ!」という声がせめぎ合っています。

やめようと思えばやめられるだけに、ここでどっちを選択するのかということで緊張が最大になるのです。

実は、恐れという感情は厄介な感情で、考えれば考えるほど大きくなっていきます。恐れについて考えていると、次の別の恐れが頭に浮かんできます。そのことについて考えているとさらに別の恐れが浮かんでくるということになる。

恐れというものは意識すればするほど大きくなって、暴走し出して、どうしようもなくなっていくのです。

行動すると想像の恐れから解き放たれる

わたしは、意を決して、電車に乗った。恐れもちろんあるんですよ。なくなりません。でも、ドアが閉まった瞬間、もう次の駅まで行くしかない。このとき、腹が据わるというか、もうやるしかない、という状況になります。

ここでわたしの悩みは一つ減ったことになります。減った悩みは、電車に乗るべきか、乗らざるべきか、ということ。何しろ乗ってしまったのですからもうそれは考える必要がない。

いま思い返しても、一番恐れが強いのは、電車に乗る直前なんです。乗る直前が数値で表現すると10だとすると、乗ってしまったら9くらい。実は少し楽になれるのです。

これは電車に乗るという行動を実際に起こしたから。乗る前は、乗ったらどうなるんだろう?倒れたらどうしようとかいろいろ考えますが、乗ってしまったら、いまの自分を観察するしかない。

ただ、怖さを感じる

わたしにとって電車に乗るということは、一歩も二歩も足を踏み出すということだったのですが、踏み出すという行動に移すことで、ただ目の前の怖さになり切れたのだと思います。なり切るとは、ただ怖いという感情だけを感じていたのです。

乗る前は、まだ乗っていないのにも関わらず怖さがあるというのは、こうなったらどうしようという頭の中で考えている怖さであって、実際に体験した怖さではないのです。

そして、体験した実際の怖さより、頭の中で作り上げた怖さの方が、何倍も実は怖いのです。頭の中で作り上げている怖さは想像が無限に広がるので、怖さも無限大きくなっていくのです。

恐れがあるままに先に進んでみる

わたしたちは、恐れがなくなってから、不安な気持ちがなくなってから、何かをやってみようと思いますが、それはなくなることはありません。

恐れや不安が抱えたまま、一歩進んでみるということが大事だと思います。そうることで、無限の大きさに感じていた恐れや不安が、有限のものになるのです。

恐ろしいままに、不安なままに、そのままでできる一歩があるはずです。まずはそこからやってみると、頭の中で感じていた恐れや不安は、正体がわかったら、こんなものかと小さくなっていきます。

恐ろしいままに、不安なままに進んでみましょう。でも、とてつもく大きなことはする必要はありません。今より、ほんの半歩だけ勇気があればできることからでいいのです。

きょうも、お読みいただきありがとうございます。

みなさまのしあわせをお祈りしています。