こんにちは。
90日で絶望を希望に、不安を安心に変える心理相談室『しあわせ体質』のカウンセラーおおにしみちおです。
「自分を大切にしてくださいね」という話をしたときに「それではわがままになってしまいませんか」と心配される方がおられます。
「自分を大切にする」ということ「わがまま」は根本的に違います。むしろ、自分を大切にできる人は相手をも大切にできる人ではないかと思います。この違いについて考えてみましょう。
自分を大切にすると相手を粗末に扱うことになるのか?
自分を大切にするとわがままになってしまうと思っている人々は、自分を大切にするということが、相手を粗末に扱うことになると思ってしまうようです。こういう考えが出てくるのは、大切にするためには我慢して犠牲にならないといけない、という思いがあるからかもしれません。
たぶん、いままでそのように振舞ってきて、自分に我慢を強いて来られたのではないかと思います。そうすることで相手を大切に扱ってきた。いま、その我慢がしんどくなってきて、我慢をやめてもいいんですよ、とお伝えした時に、我慢しないわたしは、相手を困らせる存在になってしまうと考えられるようです。
つまり、誰かを大切にするためには、自分は我慢するという犠牲がセットになっているようです。
大切にするには我慢が必要だから、自分を大切しようとすると相手に我慢を強いることになると思っているわけです。
ここで抜け落ちているのは、我慢をしない関係性。自分を大切にするということと相手を大切にするということが同時には存在できるという考え方。
わがままとは?
では、ここでわがままとは、どういう状況かと言うことを考えてみましょう。
辞書でしらべてみますと「他人のことを考えずに自分の都合だけを考えて行動すること」とあります。つまり、相手の都合を考えずに無理矢理強要することと言えそうです。これは相手に対して、やろうかやるまいかの選択の余地を与えないということのようです。
例えば、仕事が溜まって定時に終われるどころか終電くらいまでかかりそうな時に、同僚に都合も聞かずに、さも手伝いなさいよと言わんばかりに強要するのはわがままだと思います。自分一人が頑張れば済む話とひとりでやろうとするのは自分に厳しいと思います。その時に、事情を話してできる範囲でいいから手伝ってくれないと頼むのは自分を大切にしたと言えるのではないかと思います。
頼んだ結果、ごめんきょうはどうしてもやらないといけないことがあって定時には帰らないといけないの、と言われたら、それは尊重するということですね。結果として自分一人でやったとしても、自分の中では助けを求めたとなりますので、黙って一人でやった時とは気持ちの中で大きく違いが出ます。
自分を大切にするとは?
自分を大切にするということは、わたしが頑張ればそれですむ、と思いこまないことだと思います。力を借りたいのならその思いを伝える、でも相手の都合も受けいれるという姿勢が必要なのかなと思います。
いままで、相手を尊重する、そのために自分は我慢してきたという関係であったのかもしれません。だから自分を大切にすると相手を我慢させることになると考えてしまう。一方が大切にされるともう一方は我慢しないといけないという関係だけがすべてではありません。
相手も自分もどちらも大切
相手を大切にする、自分をも大切にするという関係が一番好ましい関係ではないかと思います。自分の望みは伝えてもかまわない。でも相手には「No」という自由があるということを認めてあげる。それができると相手からお願いされた時に自分にも「No」という自由があるということが理解できると思います。
これが対等の人間関係であり、相手にも自分にも負担にならない間柄ではないでしょうか?我慢ばかりしていた時には「No」といいたい場面もあったはずです。自分の都合というものがありますので。それは当然のことなんですね。
ところが「No」といいたい場面でも「Yes」と言うことを続けていくと、そのコミュニティの中にいることが辛くなってくるのではないかと思います。それであれば「No」という練習をしてもいいかもしれません。それは相手のことを否定するのではなく、自分を大切にする一歩だと思って欲しいのです。
もちろん、力を貸してあげたいのならそうしてもいいのです。でも、それが我慢の上にしていることであればしんどくなってくるということです。
自分を大切にするということとわがままはちがいます。相手も大切、でも自分も大切、お互いを尊重しあう関係が対等であり、いつまでも続く関係になるのではないでしょうか。
相手を大切にするには我慢や自己犠牲が必要なのではなくて、相手と同じだけ自分も大切なものとして扱うことが、楽な関係性を保っていくコツではないかと思います。
きょうも、お読みいただきありがとうございます。
みなさまのしあわせをお祈りしています。