あと一駅だけ頑張ってみよう〜目標はできるだけ細分化すると達成感を得やすい〜

こんにちは。
90日で絶望を希望に、不安を安心に変える心理相談室『しあわせ体質』のカウンセラーおおにしみちおです。

ぼくがパニック障害から抜け出し始めた時、何を考えながらやっていたかお話ししましょう。これは前回に書いた『こんなことやる意味あるのかなあ?』と合わせて読んでいただければと思います。

普通のことさえ頑張らないとできない

ぼくの一番の難問は電車に乗ることでした。電車に乗ることは恐怖でしかなく、最も避けたいことだったのです。もともと大学生で一人暮らしをしていたのですが、一人暮らしそのものが怖くてできなくなって実家に帰ってきました。

実家は田舎ですので、都会に出ようと思ったら電車に1時間くらい乗らないといけない。仕事を探すというようなことをするにも電車に1時間も揺られないといけないわけです。往復で2時間。これは、当時のぼくにとってはすごくハードルの高いことでした。

電車に乗ると言うことは、何も問題のない人には、当たり前にできることです。中には電車に乗るのは好き、と言う人も沢山おられるでしょう。このような人にとっては、何も意識することなくできるのです。つまり、頑張らなくても良いし、我慢しなくてもいいのです。

ところがパニック障害だったぼくには、これをするのに頑張らないといけない、我慢しないといけないわけです。普通の人と比べるとかけるエネルギーが雲泥に違うのです。

無理ならやらなくても良いんだよ

みんなはなんともないので、頑張らなくてもできることが、ぼくにはそうではない。頑張らないとできない。でも、頑張ると言うことは無理をすることなので、これ以上はできません、と言う場合もでてきます。そのとき、もういいよ、頑張らなくても、と言う状況をつくってあげたいなと思いました。

ぼくの子供の頃にも最初の東京オリンピックがありました。1964年ですから58年前のことです。その時のマラソン選手に君原健二さんという方がいます。

君原さんは、東京オリンピックでは8位でしたが、そのつぎのメキシコオリンピックでは銀メダルを獲得した人です。この人のフォームは独特で、苦しくなると首を傾けて走ります。あがきながら走ります。この君原さんは苦しくなると「まず次の電柱まで走ろう」と自分に言い聞かせて走るそうです。そして次の電柱まで来ると、また、つぎの電柱を目標にして走る。そうやって走っているといつの間にか完走しているそうです。

ぼくも君原さんに習って「つぎの駅まで頑張ってみよう」とそう思いながら電車に乗っていました。都会まで20くらいの駅があるのですが、次の駅に着くともう一駅頑張れ!そうと思いながら、あと一駅、あと一駅と念じながら乗っていたことを覚えています。

目標を小さくすることで達成感を感じてみる

これを最初から、目的地までしか見ていなかったら頑張れたかどうかわかりません。あと20駅もあると思うと、こんなにあるんだと辛さがでてくるけど、次の駅までだけと思うと少し心が和らぐわけです。一駅分頑張ると、もう一駅分なら頑張れそうと思えたのです。

ぼくがやったことは、大きな目標を、できるだけ小さな目標に細分化したことです。小さくすることで、これならできるかもと思えたわけです。そして、そこで無理と思ったらそれ以上は頑張らなくて良いんだよ、と許可を与えたのです。

大きな目標だけを掲げて、これを必ずやり通すんだと思っていたら、自分を追い詰めてとても苦しくなっていたと思います。無理だと思ったらやめても良いんだよと許可を与えることで、逆にいつやめてもいんだと思えた瞬間、それが頑張れる力になったのではないかと思っています。

どう考えるかで、苦しみにもなるし、力にもなる。自分を追い詰める考え方はやらないということが、パニック障害で苦しむ人には大事かなと思います。

ただでさえ頑張っているのがパニック障害の人なんです。これ以上、自分を追い詰めなくても良いのではないでしょうか。

きょうも、お読みいただきありがとうございます。
みなさまのしあわせをお祈りしています。