こんにちは。
90日で絶望を希望に、不安を安心に変える心理相談室『しあわせ体質』のカウンセラーおおにしみちおです。
前回「他人との比較をやめて楽になるには?」というお話をしました。今回はその続きです。
「比べなくてもいんですよ、というのはわかるんですが、やっぱり、比べちゃうんですよね。」とため息交じりにおっしゃる方が多いです。
そうですよね、やらない方が良いとはわかっているけど、なかなか思うようにはいきません。よくあります。わかっちゃいるけどやめられない、というのがわたしたちのようです。
比べてしまうけど、それは、普通のことだということです。やっちゃうもんだ、と思った方がいいのですね。その上で、どうするのかということをお話ししましょう。
比較しているものは欲しいもの
ここでひとつ考えてください。比べるとき、人のどんな部分と自分を比べるのでしょうか?
比べるとき、セットのフレーズがありましたよね。「それに比べてこのわたしは・・・」というフレーズ。ということは、比べる相手は、自分が持っていないもの、もしくは自分より優れているものがあるということです。
ありていに言えば「羨ましいじゃないか」ということなんですね。嫉妬があるわけです。たいてい、それを認めませんけどね。認めないどころか、そんなものいらないもんね、という真逆の態度をとったりします。でも、その羨ましいとせっかく上がってきた感情は受け入れたほうがいい。自然です。
自分は持っていないから、持っている人が羨ましくなる。ある能力が自分は劣っているから、優れている人をみると羨ましくなる、というわけです。
比較の相手が自分よりどんな優れた部分があったとして、自分もそういう能力が欲しいと思わなければ羨ましいという感情は出てきません。羨ましく感じてしまうのは、少なからずそれが欲しいものだからです。
自分の願望を受け入れる
羨ましいということは、自分もそうなりたいということです。羨ましいで終わらせるのではなく、自分もこういうふうになりたいと思っているんだということです。羨ましい、妬ましいという感情は、心地よいものではないかもしれませんが、自分に本心を気づかせようとして出てきているのかもしれません。
人と比べて、「それに比べてこのわたしは・・・」という思いが出て、その後ですね、大事なのは。「なんて自分はダメなんだろう」と言葉をつなぐ代わりに、「これが本心だったんだ、自分もそうなりたいんだ」と考える。
そう考えてみると、本心に気づけたわけですから、その本心をかなえてやれるように行動をとると、本来の自分の望みに近づいていけるかもしれません。
人と比較して「それに比べてこのわたしは・・・」と自己否定するよりは、「これが自分の望むものだったんだ」と気づけたわけですから、自分が力を注ぎたいものが見つかったということも言えます。
わたしは何がしたいのかわかりません、と言われたりする人がいますが、嫉妬を感じるものが欲しい物なのかもしれません。
相手の長所と自分の短所を比較しない
もうひとつ、別の考え方をご提案します。
比較するとき、羨ましいわけですから、相手の得意分野と比較しているということになります。
例えば、A君は勉強が得意で、数学、英語、国語などどの教科も毎回テストは80点以上とるとします。それをみて、いいなあ、A君は勉強はなんでもできて、それに引きかえ自分はいつも60点取るのがやっとで、と落ち込んでいるとします。
勉強だけを比較の対象にしているんだけど、あなたが、勉強はA君に劣るんだけど、クラスメートから人望があって、生徒会長に推されてしまった、としたらどうでしょうか?A君にとっては、そう言う部分は羨望の的だったかもしれない。
自分で自分の良さというのはなかなか見えないものです。欠点はすぐに目が行きますが。
つまり、相手の長所と自分の欠点だけを取り上げて比較しても意味がありませんよ、ということを言いたいわけす。あの人に勝った負けたと決めつける前に、自分の中にある相手より優れていところをもっと探しても良いと思います。
自分の長所に気づこう
こういう話をしますと、相手は完全です、自分の方が優れているところなんてありません、ときっぱり言われる人がおられますが、本当でしょうか?わたしには、ただ見えていないだけ、に思えて仕方がありません。周りの人に聞いてみてください。「わたしの良いところはどこですか?」あなたの気づかない素晴らしい部分がたくさんあると思います。
人と比べて落ち込む前に、自分の欠点をみるなら同時に長所も見つける。必ずあります。良いところは当たり前過ぎて、自分では気づけないのではないかと思います。とても、もったいないことだと思います。欠点の数だけ長所もあると思います。探してみて欲しいと思います。
まとめ
人との比較というのはやってしまうものです。大切なことは、比較したものは、自分が欲しかったものかもしれないということ。比較を自分を責める道具にしないで、自分が何を求めているのかを知る道具として使っていただいたら、比較することにも意味が出てくると思います。
そして、相手の長所と自分の短所の比較では勝負になりません。あなたにはあなたの良さというものがある。自分の欠点をダメダメと否定するばかりではなく、こういう面が自分の素敵な部分だという部分にも目を向けて欲しいと思います。
あなたにとっての当たり前の中に、それはあるのではないかと思います。
他人との比較で苦しむよりも、せっかくしてしまった比較を自分をより良くするために活用していただけたらと思います。
きょうも、お読みいただきありがとうございます。
みなさまのしあわせをお祈りしています。